
冬の季節
「朝が来るのが嫌だから、寝たくない」
息子の登校しぶりが重くなったのは、小学5年生の冬でした。
幼稚園の頃から登園前にぐずる子で、小学校入学、クラス替えなど環境の変化に弱いタイプ。
5年生になると転校という大きな変化があり、転校先の様子が徐々につかめてきた頃からネガティブな言葉が増えていきました。
「クラスの子と話が合わない」
「勉強はひとりでもできるじゃん」
——気を許せるお友達ができないのかな。
学校でひとりポツンと過ごすわが子を想像し、胸が痛みました。
いつも沈んだ表情で、情緒も不安定。
その日その日で息子の様子を見ながら、「もうしんどい」というときは学校を休ませました。
朝から登校できる日は少なく、学校がはじまってから送っていくことが多かったように思います。
寒々とした冬空は、当時のわたしの心境そのもの。
「行くのか、行かないのか、それとも途中から行くのか」
ギリギリまでわからない生活の疲れは、少しずつ沈殿していきました。

【おかあさんのプロフィール】
小学6年生、小学4年生の兄弟のお母さん。長男さんが小学校5年生の冬から、登校しぶりに悩むように。子育て心理学カウンセラー養成講座を受講したのは、長男さんが6年生になってまもない頃。
がんばりの反動
春がきて6年生になった息子は「気を取り直して頑張ろう」という心境になったようです。
「遅刻して行くよりは、朝から行った方が教室に入りやすい」
と言って、朝登校するようになりました。
しかし、どこか無理をしている様子が伝わってきて、ポキンと折れてしまわないか心配でした。
残念ながら、予感は的中。
「休むか行くか」に選択肢を狭めてがんばりすぎた結果、「休む日」が増えてしまったのです。
常に頭のどこかに学校のことがあり、息子もわたしも鬱々とした気持ちで過ごしていました。
ちょうどその頃、東ちひろ先生が主宰される子育て心理学カウンセラー養成講座の募集を知り、受講してみることにしました。
“簡単”以上のココロ貯金
子育て心理学カウンセラー養成講座を受けてうれしく思ったのは、ココロ貯金がとても身近な感じで、むずかしくなかったこと。誰でもどこでも今すぐはじめられる、温かなものだと思っています。
そして続けていくうちに、“簡単さ”だけではない魅力を感じるようになりました。
それは「親が変われる」こと。わたしの心境も、いつの間にか変わっていったのです。
以前は「学校が嫌だ」という話を聞きたくなくて、ネガティブな言葉が出はじめると話をそらしていました。それが「どうぞ話して」という気持ちに変わり、「話すことで、息子がすっきりしてくれたらうれしい」と思えるようになったのです。
クッションのようにフワッと息子の愚痴を受けとめていくと、講座を受講して2~3か月経った頃には学校を休まなくなり、登校班で登校できるようになりました。
「学校が嫌」という気持ちが消えたわけではないようですが、「ほんっと嫌」などと言いながらも着替え、着々と準備が整っていきます。
もう一つの変化
学校に行けるようになっただけではありません。
活力が宿り、こちらは何も言わないのに、勉強に力を入れるようになりました。
お友達が漢字検定に受かったと聞くと自分も受けたいと言ってきたり、好きな算数については中学の問題集を買ってきたり。当然、問題集を見ても意味がわからないので、次は参考書を買ってきて問題を読み解き、勉強を楽しんでいるようにすら見えます。
学校でもお友達ができて、お気に入りのYouTuberさんの話題で盛り上がっているようです。
わが子が元気に過ごせているだけで、親は明るい気持ちになれるのですね。
うつむいて過ごしていた5年生の冬がうそのように、今、幸せな毎日を送っています。
おかあさんが実践したココロ貯金
・「学校が嫌」などネガティブな言葉も、しっかり聴く。