子どもは、携帯電話と同じです。
ママからの「ビタミン愛」が不足すると、ダラダラ・ぐずぐずとします。
もしも、携帯の充電がなくなったとしたら、携帯に怒るひとはいませんよね。
さっさと充電をすることでしょう。
ということは、子どもの動きが悪くなったら、ココロ貯金から始めましょう。
それが一番の近道です。
4歳の男の子。最近口が悪くてママは困っているそうです。
たとえば、おもちゃを片付けずにいてそれを注意すると、
「バーカ」「そんなこと知るかー」など。
幼稚園に通い始め、さらに言葉遣いが悪くなり、
いくら注意しても、ちっとも変わらない・・・
わざと怒られるようなことをするのは、お母さんに甘えたいからです。
幼稚園に通い始めると、集団生活のなかで、いいことも悪いことも
合わせて学んでくるものです。
ただ、いいことはわかりにくく、
悪いことは目立つので、言葉遣いの悪さなどはお母さんの目につくのでしょう。
今後も子どもは、小学校、中学校と集団のなかで育ちます。
そのため、悪い言葉を口にするときには、
そのつど言って聞かせるといいでしょう。
子どもは悪い言葉をおもしろがって悪気なく使うことがあります。
ガミガミと怒るのではなく、使い方が間違っていることを知らせるだけでよいのです。
根気よく、それを繰り返します。
子どもの言葉遣いと心の安定は、密接に関係しています。
心が荒れているときは、荒れた言葉を口にします。
そのため遠回りのようでも「プラスのかかわり」を増やして、
意識的に甘える時間を作るといいでしょう。
子どもって一回言っただけでわかるようには決してならず、
何度もそのつど同じことを言うことで、だんだん知識と習慣が
定着していくようなところがあります。
本当に子育ては、根気がいることばかりです。
夫婦って、ほとんどの場合、子どもが生まれるまでは、
子育て力にさほど違いはありません。
しかし、何事もそうですが、長い時間やっている人のほうが上手になるものです。
仕事も勉強も習いごとも、実際に練習した時間に比例して、
成果が出るのが一般的です。
だからいろいろと試行錯誤しているママのほうが、
パパよりだんだんと子育てが上手になることが多いものです。
たとえば、ママが怒りっぽいタイプだった場合。
ずっと同じ調子で怒っても、ちっとも子どもに変化がなく、
逆に怒りすぎて子どもが不安定になってしまう…。
次第にこれでいいのかと考えるようになります。
そしていろいろな人に相談したり(私の電話相談もこれに当たります)、
本を読んだりして、なんとか解決したいと思います。
そして徐々に自分のやり方をマイナーチェンジして、
「怒る以外の方法」を取り入れることになります。
そうするとどうなるか…。
興味深いことに、今度はママがパパのやることを見ていられなくなります。
「なんで、こんなことで怒るかなー、この人」
「そんな言い方はないんじゃない?子どもがすねちゃうでしょ」
と、客観的にパパを見るようになるのです。
「パパが子どもココロ貯金を減らしてしまう、どうしよう!」
という危機感をもつのは、ママが子育て上級者になった証拠なのです。
では、具体的にどうしたらよいのでしょうか。
私は、そんなときのパパを、
「自分よりも年上の先輩が中途採用で入社したようなもの」
と捉えればいいと考えています。
自分よりも年上だけれど、どうもこの業界では新参者らしい。
だから仕事は教えてあげないと何もわからない。
かといって、年下の私が頭ごなしに注意をすると、やっぱり頭にくるだろう…。
言わないとわからない、でも頭ごなしに言うと嫌がられる、
そんな面倒くさい関係です。
そんなパパですから、ママから頭ごなしに「あなたが悪い」と言われると、
カチーンときます。
だから、パパを変えようとしないでください。
まずはママが、子どもを怒らなくてもうまくやれることを見せてあげるのです。
「私の言うとおりにやりなさい」と言わなくても、
ママが子どもを楽しそうに「甘え」させていれば、
パパも「甘えさせてもいいんだ」とわかります。
パパが「お前のやり方が悪い」と責めることもあるでしょう。
それは、子どもが荒れた状態にあるときです。
子どもの様子がよければ、結果的にママのやりかたがOKだと感じます。
そして、だんだんとママのやりかたに巻き込んでいくといいでしょう。
これはダイエットと同じです。
一気にダイエットの効果が出た友だちを見ると、
「どうやったら、そんなにやせたの?」と関心をもつでしょう。
そして、友だちと同じダイエット法を試してみたくなります。
まずは、あなたがうまいやりかたができるようになり、
それをパパに見せて、だんだんと巻き込むわけです。
平均的に、パパはママより五年~十年ほども遅れて、やっと「親」になる
ようです。「イクメン」という言葉が定着し、
父親の育児参加が進んでいるように見えますが、
一般的には、子どもと接する時間が少ないだけに、
パパは子育てがうまくなるのにも時間がかかります。
そしてどうしても直してほしいことがある場合は、
パパを否定しないような伝えかたを心がけます。
「パパのやりかたは、悪くないと思うのだけれどね。
最近私は、怒るのではなくて、言って聞かせるようにしているの。
怒らないと、案外きょうだいげんかが早く収まるわ」
という感じです。人間は変えられようとされると嫌ですからね。
「あなたはいつも怒りすぎなのよ」ではいけません。
これを、極力パパが子どもと接する前に伝えておいてください。
じっくりではありますが、パパは必ず成長します。
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