いまの世の中は、私たちが子どもの頃になかったものがたくさんありますよね。
携帯電話、スマートフォン、ゲーム、パソコンなどがそれに辺ります。
実は、親自身もそれらにどう関わったらいいのか、よくわかっていません。
そのため、頭ごなしに使用禁止や没収をすることを考えます。
親にとっても頭が痛い問題です・・・
基本的に、それらは今後の世の中からなくなりません。
そのため、禁止だけでなくその使い方を知る必要があります。
じゃあ、一日のゲームの時間を決めるときに、どう決めていますか?
約束を考えるときに、お子さんといっしょに考えていますか。
それとも、お母さんが決めた約束でしょうか。
使う場所と時間については、子どもといっしょに考えましょう。
親が一方的に「一日三十分だけよ!」と決めてしまうと、
購入前に子どもは「約束した」という実感を得られないため、平気で約束を破ります。
子どもといっしょに「何分くらいがいいと思う?」と決めていきましょう!
とはいえ、ゲーム、スマートフォン、パソコンは、子どもが夢中になるように
作りこんでありますから、子どもはすぐにおもしろさにはまってしまいます。
だからといって最初から禁止したち、強制的に途中で取り上げたりすると
ゲームセンターに通い始めるなど、さらに楽しいことを求めて別の行動をとるようになるんです。
たとえ子どもが決めた約束だとしても、親の顔色をうかがって
「これならお母さんが許すだろう」と考えて決めた約束かもしれません。
いずれにしても、子どもと決めた約束というのは、
子どもにとって「そのとき限定の約束」なのです。
子どもにしてみたら、約束をしたときはそれが一番いいと思っていたけれど
実際に遊んでみたら、おもしろくて時間が足りないと感じているでしょう。
子どもには「見通しがつかない」という性質がありますから
約束をしていても、つい約束を破っているということが起きます。
でもね、「お母さんと約束をした」ということを嫌味なく気づかせてあげましょう。
禁止するだけでなく、いかに自己肯定感を高めて
自分をじぶんでコントロールする力を育てるかが大切です。
OK会話例
子ども(時間になってもゲームをやり続けている)
お母さん「いま何時?どれくらいゲームをやった?」
子ども「う~ん」(ゲームに夢中)
お母さん「あとどれくらいでやめることができる?」
子ども「あと十分」
お母さん「ふ~ん。あと十分ね。区切りがついたらやめようね」
子ども「は~い」(納得する)
子どものやる気を引き出すためには、子どもをほめたり認めたりして
ココロ貯金を貯めることが最優先です。
このことがわかると多くのお母さんは、ご自身のココロ貯金の残高は
いかがなものなのかと考え始めると思います。
「私は両親からほめられたことがない、
ガミガミ・クドクドと言われ続けてきたから、
自分に自信がもてない。すぐに子どもを怒ってしまいます・・・」
と自分自身がされた子育てを振り返ることでしょう。
また、子育てはわが子を育てると同時に、自分の欠点・短所と向き合う作業ですから
つまるところ「子どもではなく私の課題だ」と確信にふれた気づきが生まれます。
子どもは未完成な存在で、日々失敗や間違いをしながら成長していきます。
子どもを産むまでは、自分の努力しだいで決まる成功経験を積んできたお母さんも
失敗や間違いが多い子どもと過ごす時間が長くなると、
しだいに自分自身も自信がもちにくい精神状態になりやすくなるんです。
さらに、多くのお母さんは、子どもを一人か二人しか育てておらず
男女の違いも含めると、慣れたという実感がもてないまま子育てをしていると言えます。
そのため、いつまでたっても子育てに自信がもてないと感じてしまいます。
逆に、現在進行形の子育てについて「私の子育ては大成功だ!」
と思う方がいたとしても、それはそれで疑問が残ります。
子育ては、短時間で結果や成果がわかるものではないからです。
結果が見えないことに、毎日膨大なエネルギーを費やすのが子育てです。
そのため、子育て中のお母さんは、一般的に自己肯定感が低くなりやすいと思われます。
お母さんのココロ貯金がいっぱいになれば、自然と子どもに愛情を伝えやすくなるので
まずはお母さんの自己肯定感を高めてくださいね。
子どものココロ貯金は、ほめて認めることで貯まります。
一方、大人は人からほめられることが少なく、子育てをやって当たり前と思われます。
では、どうやったらお母さんの自己肯定感が高まるのでしょうか?
この世の中に欠点・短所がない人は一人もいません。
どれほど偉いと思われる人にも必ず欠点・短所があります。
そのため、「欠点・短所がなくなったら、自分は百点満点になるのに・・・」
と思っていたら、一生百点満点にはならないのです。
だからね、どうか欠点・短所があるそのままの自分に百点満点をあげてください!
「自分を変えられない」と思う発想は、いまの自分を否定していることがら始まります。
まずはここで一度、「いまのままの自分でOK」「欠点・短所があって当たり前」
と思えると、自己肯定感が高まり、やる気と自信がわいてきます。
そうやって自分の心を安定させながら、
子どもにどんどんココロ貯金を貯めてあげてくださいね。
そのほうが無理なく、自然と子どものココロ貯金が貯められます。
ちょっと図々しい発想のようですが、
その思考回路は、子どもの欠点・短所を見るときにも通じます。
大人同士の付き合いであれば、怒らずに理性的に対応できても
子どもは、お母さんの理性をはぎ取る勢いで反抗しますから、
お母さん自身の心が不安定な場合は、心の軸は二倍、三倍の力で
揺さぶられることになるんです。
子育ては、自分育てと言いますが、子どもがその重要さを身をもって教えてくれるわけです。
欠点・短所があっても自分を認め、子どもだけでなく、すべての人の
やる気と自信を引き出す方法、そのすべてを子どもが身に付けさせてくれます。
そうやって、試行錯誤で子育てをしているあいだに、人間としての器も大きくなっていくのです。
私が先生時代、一日10人ほど保護者向けに個人懇談をした時に思ったこと。
「先生、ウチの子は、元気が余りすぎて困ります・・・・・」
「先生、ウチの子は、おとなしすぎて困ります・・・・・」
子どもって、「中」がない扇風機みたいです。
「強」にすると、あたり一面紙類が飛び散って困ります。
「弱」にすると、風が届かず頼りない。 90%の子どもが、「強」か「弱」になるみたい。
残り10%って、激戦区よね。 子どものココロに「中」はないのです。
クライアントさんとお話ししながら明確になったことです。
子どもの心が扇風機だとしたら・・・・
「強」のお子さんは、エネルギッシュです 。
自分の意見もバンバン言うし、反抗もバッチリできる。
自分の要求もハンパなくしてくれるので、親は目がまわります。
わかりやすく言うと・・・ 親が子どもに振り回される型です。
このタイプは、イヤなことがイヤと言えてしまうので、
集団ではよいのですが家庭の中では、ふりまわされるんです。
扇風機も「強」だと、近くの紙も吹っ飛んで~辺り一面、大騒ぎなんて感じ。
でも、扇風機の機能としては涼しい。
かたや、「弱」タイプのお子さん、紙も飛びませんし、周囲は落ち着きます。
安心してつけておけれるけれど・・・やっぱり風が弱いので物足りません。
親は、もっと自分の言いたいことを言ってほしい、
イヤはイヤと言える子になってほしいと心配します。
はい! このコドモ扇風機は 「強」と「弱」の2パターンしかないようです。
ちょうどいい加減の「中」があればいいのですが、どちらかのようですよ。
微妙な目盛りがほしいくらいですが、そこがないんだよね。
扇風機にも「涼しいね~」と「ココロ貯金」を貯めていくと
「中」ができるだろうか・・・不明です(汗)