「困難に立ち向かわないと逃げていることになる」
この言葉を聴いてあなたはどんな感じがするでしょうか?
私は、ちょっとモヤモヤするんです。
「根性」や「努力」には限界があると思うのです。
たとえば、嫌いなサッカーをやめたがる子どもがいるとします。
サッカーは、好きではないのでちっとも熱心に練習をしようとしません。
デキルことならばサボりたいのが本音。
親としたら、
「サッカーを辞めさせると、この先もっと大変なことにも立ち向かえなくなるのでは?」
と心配に思うのね。 パワフルパパさんは、もっと露骨に
「サッカーを辞めたら、人じゃない」くらいに言うこともあります。
じゃあ、サボったり、辞めたりしたら、「逃げた」ことになるのか?ということ。
私は、基本的には「ハードルを越える」とか「逃げてはいけない」とは思っていないのね。
とかく日本人は、勤勉でまじめをヨシとする文化です。
だから一旦始めたものを、嫌いという理由であっさりと辞めるというのは
根性なしでダメなことと思う節ありです。
でね、この「乗り越える」とか「逃げてはいけない」という発想は
もっている人ともっていない人がいます。
もっている人は、自分が過去に言われた経験が多い人、その場合は
「逃げてはいけない」という価値観がガッチリ心にしみついています。
一方、もっていない人は、自分が過去に言われた経験が少ない人です。
つまり、自分の過去の経験が現在の思考回路に大きく影響しているわけです。
じゃあ、一旦始めたサッカーは辞めてはいけないのかということ。
私は、苦痛を感じながら続けることは必要ないと思っています。
「いえいえ、それでは根性は身につきませんよ」と言われるかもしれませんが。
じつは、心が安定した子、やる気がある子は、困難を乗り越えたらなれるわけではありません。
子どもに「大好き」をたくさん伝えるといいんです。 その気持ちは、「言葉」や「行動」で伝えます。
そしたらね、、、子どもに「根拠がない自信」が生まれます。
コレ極めて重要! 「根拠がない自信」があると、
「なんとかなるんじゃないか」「きっとうまくいく」という”成功思考”になるのね。
その真逆は、「どうせ無理」と思うこと。 この「前提」が大事です。
何事もうまくいくことが前提の人には、「どうせ無理」と思う人は勝てません。
私は、逃げるのも恥ではないし、困難は乗り越えなくても、どっちでもいいことと思います。
それよりももっと大事はことは、親が子どものことを「大好き」と伝えること。
「つ・た・え・る」がキーワードですよ。
そこをしていくと、子どもの自己肯定感が高まるので、自然と子どもはやる気になります。
つまり、親は子どもをやる気がある子に育てたいわけで、
その「やる気継続ツール」としてサッカーを選択しています。
じゃあ、サッカーを継続できなくても、「自信がある子」に育つ方法がわかればOKですよね。
あまりにもきょうだいゲンカが激しく勃発する場合は、
いくらお母さんが怒っても改善はされないのです・・・
それはね、きょうだいゲンカは
「お母さんからの愛情をもっともらいたい」
「もっとココロ貯金を貯めてほしい」
「下の子(上の子)はいいな」
という気持ちの裏返しであることが多いからです。
子どもの味方になって、話を聞く習慣を定着させたら
親子関係が改善され、結果的にきょうだいゲンカが少なるなることはよくあるんですよ。
お母さんからたくさんのココロ貯金を貯めてもらうと
子どもは自然ときょうだいにやさしくなります。
ココロ貯金がたくたん貯まると、自分以外の人にやさしさを、
おすそわけができるようになるんです。
ココロ貯金が貯まっていない状態では、いくら
「きょうだいは仲良くしなさい」と言われても
これ以上エネルギーを使うと貯金が赤字になってしまうので
出し惜しみをするようになります。
さらに
「お母さんに自分のことを見てほしい」
「関心を寄せてほしい」
と思うと、わざときょうだいを攻撃するようになります。
また、実際に子どもがケンカをしているときに
お母さんが「〇〇が悪い」と一人を責めてしまうと、悪いと言われた子どもは不満を感じます。
「最初に悪口を言ったほうが悪い」とか「先に手を出したほうが悪い」など
勝負の判断方法は、いろいろありますが、子どもはいつだって相手が悪いと思っています。
実際にはケンカ両成敗で、どちらにも悪いところがあるでしょうか・・・
自分のことは棚に上げて、相手の非を訴えるのがきょうだいゲンカです。
きょうだいゲンカの対応策には、次の三つがあります。
【ケンカの裁判官にならない】
お母さんが裁判官のように「〇〇が悪い」とケンカの勝負を決めると
その勝負に負けたこともに不満が残ります。
不満が残ってしまうと、すくに次のケンカをしかねません。
よほどの危険がない限り、どっちが悪いと言わず、ながめておきましょう。
そのほうが早くケンカは落ち着きますよ。
【落ち着いてから、それぞれの言い分を聞く】
どちらかが泣きついてきたら、もう一人の子に聞こえない声で
「あなたも大変ね」「ここが痛いのね。嫌だったのね」と気持ちを理解してあげましょう。
そして、ケンカをしかけた子には、あえて
「あなたが怒るのはよほどのことがあると思うけど、どうしたの?」
と言い分を聞いてあげましょう。それぞれの子をフォローしてあげてくださいね。
【あきらかに一人が悪いときは、その子にふだんからプラスのふれあいをする】
きょうだいゲンカで、あきらかに一人の子が悪いという場合、
いくらその子に「相手の気持ちを考えなさい」と言っても
自分のココロ貯金が焦げ付いているときには、ココロ貯金が満たされるまで
毎日同じことがくり返されるのです。
NG例
「お姉ちゃんは、下の子にやさしくしないとダメでしょう」
(上の子は「自分は損な役だな」としか思えない)
「なんで、妹をたたくの!」
(「なんで?」と言われると、責められたと感じるだけで反省に結びつかない)
子どもは、元来もっている気質があります。
子どもの中には、場の空気が読みにくかったり、
相手の気持ちを共感しにくい子どもがいます。
それはね、親の育て方に関係なく、元来の気質によるところが多いのです。
同じママが育てていても、きょうだいの性質が全員違いますよね。
上の子は、相手の気持ちを察することができるけど、下の子は何回親が
怒っても相手が嫌がることを平気な顔ですることがあります。
それは、子どものもっている「共感力」のちがいなんですね。
「相手の気持ちを考えなさい」と言っても、そもそもそれが苦手な子どもは、
正直言って「相手の気持ちがわからない」ところがあります。
さて、そんなタイプのお子さんが社会的に適応するか否かの境目は、
ココロ貯金の貯まり具合の差です。
ココロ貯金は、ママの愛情が上手に伝わると、愛情貯金が貯まるので
やる気と自信の大元である自己肯定感が高まります。
元来の子どもの気質はあるのですが、この自己肯定感の違いによって
子どもの社会的適応能力も大きく違います。
こんなタイプのお子さんにしっかりココロ貯金が貯まっていると、
ちょっと変わったタイプの「不思議ちゃん」って感じで好意的に見られます。
仲間からも愛されキャラとしてつきあえるので、仲間外れにもなりません。
一方、ココロ貯金が貯まっていない場合は、
単なる「変な子」と思われて
社会的な対応もイマイチです。
つまり、ママの関わり次第で、
好意的な「不思議ちゃん」になるか、
「変な子」になるかが違ってきます。
子どもってどこまでも変わるんですよ。