体験談
タイプの違う兄弟の悩み
3年前のわたしは、発達の特性をもつ兄弟にほんろうされていました。
2人ともASDとADHD両方の特性をもっていますが、タイプはまったく違います。
・長男:ASDの傾向が強く、自分の気持ちを伝えるのが苦手⇒何を考えているのかわからない
・次男:ADHDの傾向が強く、暴言を吐き、暴力をふるう
長男はグズり、次男は暴れる。長男が学校に行けなくなったことに加え、日常生活がうまく回らないことがとてもつらく、メンタルを削られる日々でした。

【お母さんのプロフィール】
ASD・ADHDの発達特性をもつ兄弟のお母さん。
長男さんの不登校、次男さんの暴言・暴力に悩み、長男さん小5・次男さん小2の頃に子育て心理学カウンセラー養成講座を受講。現在お子さん達は、中学2年生と小学5年生。
幼児返りした長男
次男に関する悩みは、学校に行ける・行けないではなく、暴言と暴力でした。おそらく学校生活へのストレスから、荒れてしまったと感じています。
幼い頃はスキンシップが大好きなママっ子だったのに、別人格になってしまいました。
・些細なことですぐキレる
・「〇ね」と叫びながら壁を棒でたたく
・おもちゃ箱をひっくり返し、物を投げる
・わたしの髪を引っ張り、たたく
毎日「〇ね」という言葉を浴びる生活は、つらく悲しいものでした。
長男の幼児化、次男の暴言・暴力、不登校。
複数のヒモが絡まって、家の中も頭の中もぐちゃぐちゃです。
そんなときに出会ったのが「子育て心理学カウンセラー養成講座」でした。
キレやすい次男
中学に入ってからも、娘は神経をすり減らしていました。
女子校ということもあり、人間関係に気を使い、毎日3つは「雑談ネタ」を用意していくと言うのです。
とてもピリピリした状態だったのですが、コロナ禍での自宅学習に救われました。
他人を気にする生活から解放されて、とてもリラックスした様子で勉強にも意欲的に取り組んでいました。
しかし、部活動がはじまると事態は一変。
部内で仲間外れにされて心が折れ、中学3年の2学期から不登校になりました。
結局、3学期までずっと不登校。
勉強は好きでずっと続けてきたので、中高一貫の高校へは進まず、受験して私立の進学校へ進みました。
ココロ貯金①:長男には「背中こちょこちょ」
長男に効いたのは「ふれる」ココロ貯金です。
幼い頃からこちょこちょされるのが好きな子だったので、「ふれる」を心がけると見事にハマり大きな効果がありました。
実は、ココロ貯金に出会う前はすごく嫌だったんです。少し凹むことがあると「こちょこちょやって」と甘えてくるので、「もう5年生なのに?」と情けない気持ちでした。
けれども、ふれるのが良いことだと教わってひと安心。求められなくても、長男が近くにいるときは背中をさすり、チャンスがあれば「ふれる」よう心がけました。
「ママハンドル」の考え方にも助けられました。長男のタイミングに合わせると自分に負担がかかってしまうので、「自分ができるタイミング」でふれておこう、みたいな感じです。
すると長男は次第に落ち着きを取り戻し、不登校期間2ヶ月で学校に戻ることができました。
ココロ貯金②:次男には「承認」
長男に効いた「ふれる」ココロ貯金は、次男には役立ちませんでした。
近づこうとすると「シッ、シッ」と手で払われたり、中指を立てて「〇ね」と言われたり。
そばに寄れない状態だったので、心がけたのは“実況中継”や“興味関心”で次男を「認める」ことでした。
次男がゲームをしていたら、
「何やってるの?」
「楽しそうだね」
と声をかけます。
「一緒にやろう」
と誘うと、目を輝かせました。
「すごい! そんなこと知ってるの?」
「え、全然勝てない~」
一緒に遊んでみると、以前はひとつも出なかった「ほめる」言葉が出てきて驚きました。
イライラして怒ってばかりだった自分を反省し声がけを変えたら、次男が変わっていったのです。得意になってゲームのコツを教えてくれる姿を見て、ああ可愛いなと思いました。
「認める」コミュニケーションを続けていくと次男は徐々に落ちつきを取り戻し、キレることも暴言・暴力もいつの間にかなくなりました。
「ウンチ!」くらいは、ふざけて言いますけれど(笑)。
兄弟の今
あれから3年が過ぎ、兄弟は中学2年生と小学5年生になりました。
長男は学校が大好き。
バスケットボール部に入り、積極的に参加しています。
入部届けにサインを求められたときは、正直おどろきました。
「部活なんか入らない」と聞いていましたし、ASDの特性もあるので「集団競技、大丈夫かな」と不安だったのです(小学生の頃習っていたサッカーでは、ボールを追いかけず一人だけ反対側を歩いていま
した)。けれども心配は杞憂に終わり、部活や学校生活を満喫する姿を見てうれしさと頼もしさを感じています。自分が好きで興味があることなら特性を飛び越えて楽しめるのだと、学ばせてもらいました。
次男は、学校に行っていません。
長男が不登校になったときは「子どもが学校に行かない」という状況に初めて直面し、焦りや不安が大きかったように思います。しかし今は「学校がすべてじゃない」とわかっています。「できることをしていけばいいや」と思えるので、とてもラクです。
長男も次男も、なぜか頻繁にわたしの近くに寄って来ます。
かつては絶対に近づいてこなかった次男も、
「見て、見て」
とゲームの成果報告をしてきたり、わたしが作業している横にちょこんと座っていたり。
こんな穏やかに過ごせる日が来るなんて。
彼らもわたしもメンタルが安定して、とても生活しやすくなりました。
中2の長男は思春期まっただ中のはずですが、反抗されることがありません。
子ども達はやたら可愛いですよ。ただただ可愛い。
◎お母さんが実践したココロ貯金◎
・兄弟の個性に応じたココロ貯金
・「ママハンドル」で、できるときにココロ貯金
・背中をこちょこちょして「ふれる」
・“実況中継”したり、“興味関心”を示したりして「認める」

