【子どもが変わる!…
私の子育て電話相談、子育て心理学講座では、お子さんが行き渋り・不登校の親御さんが多いです。
まあ、子どもが学校に行かないくらい親が困ることはありませんからね。
いつも頭から離れないことでしょう。
私は、岐阜県内の教育委員会勤務では、不登校担当でした。
教育委員会は、先生の先生です。
つまり、先生を指導する先生ということ。(ややこしいですが)
保護者相談はもちろんのこと、担任の先生への指導も仕事でした。
立場上、校長先生へも指導をするのが仕事でしたね。
校長先生に「ご指導お願いします」と言われるんですよね、、、、。ちょっと重いですけど。
さて、学校を行き渋り・不登校のお子さんのママが今すぐに!やるといいことについてです。
「子どもが登校するかな・・・」と心配するよりも、今すぐにママがすることがあります。
親にとって、子どもが学校に行かないほど困ることはありません。
なぜならば、私たち親世代は子どもが熱もないのに学校を休むってあり得ない世代です。
だから、わが子が学校に行かない時には、子どもが怠けているような気分になります。
じつは、学校の先生は「教室に入る子」についてはプロ中のプロです。
ですが、教室に行き渋る子については正直言って「わからない」のです。
とはいえ、過去に不登校の子どもの担任になった経験があることは多く、
その時の経験を元に子どもを指導することはあり得ます。
ただ、子どもが違います。
過去に担任になった子どもと、今不登校の子どもは同じではありませんから、
同じことをやったからといって、教室復帰をするとはいえません。
さて、子どもが学校を行き渋る時は、なんらかの不適応であったり、負担感が大きかったりします。
子どもが行き渋る時の原因は様々です。
① 自己肯定感の低さ
② 発達の偏りがある
③ 感覚過敏
④ 母子分離不安
⑤ 教室が荒れている
⑥ 先生が高圧的な態度
⑦ その他
このあたりが多いパターンです。
子どもが学校に行かないと言うとき、親は「まさか!うちの子が!?」と驚きます。
そして、一体どうしたらいいのかがわからないことがほとんどなので、
最初は無理矢理子どもに強く言うことになります。
「いい加減にしなさい」と強く怒鳴ったり
「自分が困るのよ」と不安感をあおったり
「お母さんは悲しい」と泣き落としてみたり
「勝手にしなさい」と見放したり
多くの場合は、力技で子どもを高圧的に脅してみたり、
あえて無視してほっからかしにしてみたり、押したり引いたりします。
子どもが登校を渋る時、こんなことが原因になりやすいとお伝えしました。
これは1つだけではなく、いろいろな要素がからんでいることが多いです。
私としたら、学校復帰をして欲しいところですが、
子どもが登校を渋るのであれば、「今、子どもが学校に適応していない大元」を
みつめるチャンスと思うのです。
そんなことでもないと、親は「まあ、いいや」と思います。
子どもが登校を渋る時、こんなことが予想されます。
① 自己肯定感の低さ
② 発達の偏りがある
③ 感覚過敏
④ 母子分離不安
⑤ 教室が荒れている
⑥ 先生が高圧的な態度
⑦ その他
「② 発達の偏りがある」について
この「発達の偏り」というのは、いわゆる発達障害という名前で言われるお子さんのことです。
障害というと重いイメージがありますので、私はよく「発達の偏り」とお伝えしています。
この「発達の偏り」は、「ヘビーな偏り」と「ライトでソフトな偏り」があります。
私たちは全員「得意なこと」と「苦手なこと」があります。
もちろん私もあります^^
で、この「得意なこと」と「苦手なこと」の差が大きい方のことを「発達の偏り」と言います。
これは、発達検査をすると一目瞭然になります。
この発達の偏りというのは、親の育て方がいいとか悪いとかではありません。
今日は、子どもが登校を渋る時、親がやることの③感覚過敏です。
この感覚過敏の感覚とは、五感が「敏感」なんですね。または「鈍感」ということです。
五感とは、視覚、味覚、聴覚、臭覚、触覚のことです。
その五感が「敏感」または「鈍感」です。
敏感を感覚過敏、鈍感を感覚鈍磨(どんま)といいます。
感覚過敏は、まわりからわかりにくく、努力や我慢が足りないと誤解されやすいです。
子ども自身も小さい時から感覚過敏のため、自分としてはそれが当たり前と感じたり、
何が原因で不快を感じるのかよくわからないことがあります。
ひとりの子どもの中で感覚過敏と感覚鈍磨の両方を合わせもっている場合があります。
たとえば、皮膚感覚は敏感でタートルネックが着られない(感覚過敏)、
一方夏暑くでも長袖を着ている感じです。身体の部位によって感覚過敏と感覚鈍磨が共存しています。
◆この感覚過敏は、育て方が悪いからなるものではありません。
しかし、子どもの情緒が安定してくると感覚過敏が目立たなくなることが多いです。
たとえば、白いご飯、白いうどんしか食べられないお子さんが、
ココロ貯金がたまるとご飯やうどん以外のおかずが食べられるようになるケースが多々あります。
私の講座受講生ではとてもよくあることなんですね。
ということは、うまれもっての感覚過敏&感覚鈍磨ですが、
親ができることがいくらでもあるということです。
<聴覚>
・大きな音に聞こえる、カラオケボックスで音量を最大にしている時みたい。
・遠くの音も近くの大きい音に聞こえる。
・エアコンの音、時計の秒針、換気扇の音などの生活音がとても気になる
<聴覚過敏の工夫>
・苦手な音から離れる
・耳栓、イヤーマフを使う
・(行事など)大きな音(かけっこスタート時のピストル音)がある場合は、
あらかじめ説明する、もしくは離れた場所で過ごす
・外出先から家に戻ったら静かな時間をもつ
<視覚>
・光がまぶしい
・小さいものが群れている絵が苦手
・テレビやパソコンから目をそらす
<視覚過敏の工夫>
・蛍光灯を明るすぎないようにする
・極力人混みを避ける
<触覚>
・気にいった服ばかり着る(緩い服が多い)
・粘土、ボディーペイントができない
・靴下、帽子、タートルネックを嫌がる
・髪をとく、歯磨き、爪切りなど「人にされること」を嫌がる
・握手が苦手
・痛みに弱い
・注射が苦手
・けがをしても気がつかない
で、今回のテーマは洋服のタグを嫌がる子の対応です。
こんな時は、根性だ!やる気だ!我慢だ!にはしなくていいです。
この場合は、不快な状況を「避ける」です。
つまり、洋服のタグ(サイズや洗濯表示をつけたもの、
首元のブランドやメーカー名を貼っている)を取ります。
その取り方は・・・
タグをハサミで切り取るのではなく、元々の糸から外します。
ここは努力や根性で乗り切る必要はありません。
とはいえ、「親がいつまでもそんなことはできませんよ」という声が聞こえてきそうです。
いずれは子どもが自分で服の管理をしなくてはいけませんからね。
そこは、だんだんとどうやってタグをハズすのかを教えてあげてくださいね。
・糸切りハサミで糸を切る
・短い糸も取り除く
つまり、ママがやっていることを教えてあげるわけです。
日頃子どもは糸切りハサミをつかいませんから、使い方を教えてあげてくださいね。
ハサミの先だけで糸が切れるってことを子どもは知りませんから。
じつは、私の子育て心理学講座ではこの感覚過敏のお子さんのママが多いです。
気にいらないとかんしゃくを激しく起こすお子さんも多いです。
でも、今はかんしゃくをおこさなくなっているのです!!!
すごいでしょ。
この感覚過敏は生まれ持ったものです。
でも、子どもにココロ貯金がたまり、情緒が安定すると・・・かんしゃくを起こさなくなるのです。
そして、洋服のタグも気にならない状態になります。
子育てはイライラすることが多いもの。
イライラしてしまう時は
「何を変えたら、イライラしないのだろうか」
と考えます。
子どもを変えるのではなく、
ママができることをマイナーチェンジさせた方が早い!
「片付けをしない」としたら、
→子どもと一緒に片付けをしてみる
「嫌いなおかずを食べない」としたら、
→子どもが食べられる量に調節する
「何歳だからできるはず・・・」
「今のうちにできてほしい・・・」
そんな気持ちがママのガミガミの火元かもしれません。